開 催 主 旨

 

静岡にゆかりのある現代美術作家16組が、静岡市の「風景」にとけ込んでいる重要な2カ所の建築物の空間に
独自のアプローチで作品を展示します。会場となる建築物は、静岡市駿河区高松にある、建築家W.Mヴォーリズ設計の白い壁が美しい洋館「旧マッケンジー邸」。葵区羽鳥にある、孤高の作家中勘助が暮らした旧前田邸、現在の「中勘助文学記念館」の2カ所です。

その二つの場所には、主たちの功績と生き様が確かな気配として存在し、それらを包む建築物はまぎれもなく静岡市の「風景」として存在感を示しています。本展は、歴史的な意味を持った建築と現代美術作家の融合がポイントとなり、作家の世界観のかたちを「フウケイ」として静かに黙示します。作家には世界の見方や視点を変える面白い力があります。記憶と匂いに満ちた魅力的な作品群をお楽しみください。

 

 

この美術展は2つの古い建築で行われる。1つは海の近くの洋館。珍しい建築だ。もう1つは山間の民家。文化人が田舎家と呼んだ、掛け軸の中に描かれるような家である。

古い建築を使うと、美術館ではできないフウケイが生まれる。その場所固有の景観のなかに作品がつくられるからだ。作品の背景はそれぞれ異なる。目で見るだけでなく、そのときの温度や風や匂いも背景の一部だ。それに古い建築には、新築にはない粗い木目や艶や疵があり、整理できない「変なもの」がある。それらは時間が生んだ造形だ。建築が建っている場所と経てきた時間はふたつとして同じものはない。この風景のなかでつくられるフウケイ。それはときに意外な、ときにニコッとする出会いをもたらしてくれるだろう。

土屋和男(常葉学園大学准教授・建築史)

 

 関 連 事 業

 

(1)スタンプラリー

  同時期に開催される3つの展覧会(下記参照)を鑑賞するともらえるスタンプを集め、
  3つ全部を集めた方に記念品を進呈します。(先着100名)

  <実施会場および会期>

  @「風景ルルル」展     会場:静岡県立美術館
  会期:11月3日(月・祝)〜12月21日(日)

  A「風景の中のフウケイ」展   会場:旧マッケンジー邸、中勘助文学記念館
  会期:11月3日(月・祝)〜11月16日(日) 

  B「木のぬくもり」展    会場:静岡アートギャラリー
  会期:10月18日(土)〜12月23日(火・祝)

  ※スタンプラリー台紙は各会場でお配りしています。(配布期間:10月18日(土)〜11月16日(日))
  ※展覧会ごとに会期が異なりますので、ご注意ください。
  ※「風景の中のフウケイ」展のスタンプは2会場のうちいずれか1つで可。

 


 

(2)現代アートの世界(フウケイ)

 「風景ルルル」展と「風景の中のフウケイ」展出展作家による公開座談会

  同時期に開催される2つの現代アート展の出展作家による対談を公開開催します。
  対話を通して、現役作家の生の声を聴き、交流するきっかけをつくります。

  <実施日時>11月8日(土) 13:30〜15:00 (13:00より受付開始)
  <実施会場>静岡県立美術館エントランスロビーにて。
  <参加料>無料。どなたでもご自由にご参加ください。

 

 関 連 企 画  (同時期開催)

 

(1)「風景ルルル〜わたしのソトガワとのかかわり方」

  会  場  静岡県立美術館
  会  期  平成20年11月3日(月・祝)〜12月21日(日)
  入  場  一般800円(600円)、大高生・70歳以上400円(300円) ()は団体
  主  催  静岡県立美術館

(2)「日本文化の型と形 木のぬくもり展」

  会  場  静岡アートギャラリー
  会  期  平成20年10月18日(土)〜12月23日(火・祝)
  入  場  一般1,000円、大高生・市内70歳以上600円
  主  催  静岡アートギャラリー

 

   
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